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【ロシュ・ダイアグノスティックス】病理・遺伝子検査を事業戦略の重点に‐個別化医療推進

2009年02月20日 (金)
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小川社長

 ロシュ・ダイアグノスティックス(RDKK)の小川渉社長は18日、都内で会見し、1月に診断薬大手米ベンタナの日本法人「ベンタナ・ジャパン」を完全統合し、病理検査事業に新規参入したことを踏まえ、今後は個別化医療を推進する考えを示した。年内には、「KRAS・EGFR遺伝子変異判別キット」を研究用で発売し、病理検査事業と遺伝子検査事業を中心に製薬企業と連携しながら、個別化医療事業の製品化戦略を展開する。

 RDKKの08年度売上実績は、前年度比3・6%増の416億円。成長の柱に据えていた研究用試薬・機器事業では、PCR遺伝子増幅システム「ライトサイクラー480II」、遺伝子配列解析システム「チタニウムシリーズ」などの新製品が順調に推移し、業界平均を上回る14・6%増を達成した。また、競争が激化している体外診断薬・機器(IVD)事業でも2・7%増を確保した。

 さらに09年度は、ベンタナ・ジャパンの統合により、病理検査薬・機器事業を加えることで、08年度を上回る5・6%増の439億円を目標に掲げている。研究用試薬・機器事業は17%の大幅な成長を見込んでいるが、競争が激化する主力のIVD事業は横ばいにとどまる見通し。小川氏は、病理検査薬・機器事業を新たな成長事業として位置づけ、「前年度比で25%は伸びるだろう」と期待を寄せる。

 新たに参入する病理検査薬・機器事業は、ライフサイエンス研究、創薬、対外診断薬などの市場で幅広い需要があるという。09年度は、既存主力製品の次世代全自動H&E染色システム「シンフォニー」や、乳腺マーカー「HER2抗原免疫染色キット」の拡販を目指す一方で、個別化医療事業の推進にも取り組む。ロシュグループの医薬品事業や他の製薬企業と連携して、医薬品開発と同時進行で診断薬を開発し、分子標的薬に有効なバイオマーカーの探索・開発に着手する方針だ。

 既に、個別化医療をにらんだ製品化は始まっており、「KRAS遺伝子変異判別キット」は3月、「EGFR遺伝子判別キット」は6月に研究用で発売される。分子標的薬の投与前に患者個人レベルで効果を予測し、投与患者を選別することが特徴で、2製品とも年内に薬事申請を行い、早期の実用化を目指す。

 小川氏は、「遺伝子レベル、分子レベルで解析してテーラーメイド医療を推進することは、ロシュグループにとって戦略的な核となる。積極的にチャレンジしていきたい」と、検査・診断を通した個別化医療の展開を強調した。



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