厚生労働省は、大阪微生物病研究所が開発した乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン「ジェービックV」を正式承認した。再審査期間は8年。
日本脳炎については、予防接種法に基づき定期の予防接種を行ってきたが、2005年5月の疾病・障害認定審査会で、マウス脳を用いた日本脳炎ワクチンの使用と重症の急性散在性脳脊髄炎(ADEM)の発生に、因果関係を肯定する論拠があると判断され、厚労省は同年5月30日付で「ワクチン接種の積極的勧奨をしない」と通知、実質的に予防接種は中断されていた。
その後、リスクが低いと期待される細胞培養法によるワクチンの開発が進められ、1月29日の薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会で、同製品の製造販売が了承されると共に、部会委員から「今夏シーズンに間に合うように」との要望を受け、薬事分科会の委員間での調整を図り、早急に承認することになっていた。
承認に当たっては、治験データが少なかったことから、「重篤な副反応に関するデータは、可及的速やかに収集して評価し、適正使用に必要な措置を講じること」の条件が付された。
厚労省では、供給体制が整い次第、接種勧奨を再開する予定で、現在、予防接種検討会などで具体的な運用を検討している。
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