オーガナイザー
石橋正己(千葉大院薬)
塚本佐知子(熊本大院薬)
最近5年間(2015~19年)に認可された新薬のうち、高分子は43%、低分子は57%であり、依然として低分子医薬の貢献度は高い。また、低分子医薬の多くは天然物の構造をもとに開発されていることから、天然物は有用化合物の宝庫である。
天然物はこのように医薬品や食品、香粧品などの素材として大きな役割が期待されるだけでなく、従来知られていなかった生命現象や機能発現に結びつく化学的性質や反応など、魅力的な研究テーマや未解明の謎に溢れている。それはまさに薬学研究者が取り組むべき研究対象であり、知の地平線を拡げ、必ずやSGDsなど普遍的問題への解決につながる新展開へと発展すると期待される。
本シンポジウムでは、『ものとり研究:天然物の構造と作用の謎解き』というタイトルのもと、4人のシンポジストから、自然に潜む魅力的な天然物の発掘と謎の解明に関する最先端の研究を講演していただき、天然物化学研究の新展開について活発に議論したい。
(石橋正己)