3月16日23時半過ぎ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。宮城県の登米市と蔵王町、福島県の国見町、相馬市、南相馬市の5市町村で最大震度6強を観測したほか、北海道から九州地方にかけて震度6弱から震度1を観測。走行中の東北新幹線が脱線するなど大きな被害を出した。
東京など首都圏での揺れも相当強く、停電も発生。地震の揺れで眠りから目を覚ましてしまい、その後、不安でなかなか寝つけなかった人も多かったのではないだろうか。
3月16日と言えば、東日本大震災が起きた3月11日の5日後に当たる。昨年も2月に福島県や宮城県で最大震度6強を計測する大きな地震が発生しているが、2年続けて「3.11」近辺に大きな地震が起こるとはあまり想定しておらず、改めて“災害とはいつ起きるか分からないもの”であるということが認識された。
災害時には感染症のリスクが高まると指摘されており、コロナ禍にある現在、防災と感染症対策を関連付けて考えることは非常に大切だ。シャボン玉石けんが実施した防災グッズと感染症対策に関する意識調査によると、防災・災害対策の必要性を感じている人は85%に上ったが、自宅に災害グッズを備えている人は35%にとどまった。
その理由としては、「何が必要か分からない」(32%)や「費用がかかる」(26%)、「面倒くさい」(22%)が上位に挙がっていた。
また、避難所では、飛沫感染や空気感染などをはじめ感染症が流行する恐れがあるが、衛生対策が大切であることに関しては84%の人が「知っている」と回答した。長引くコロナ禍にあって、生活者等の衛生意識への高まりが、こうした結果につながったとみられる。ただ、同調査結果によると、防災グッズとして衛生用品を備えている人は、わずかに全体の21.1%にとどまっていた。
東日本大震災の発生から11年という時が流れた。未曾有の大災害の影響は今なお続き、復興庁によると今年2月現在、避難者数はまだ3万8000人を超え、避難生活の場は全国47都道府県、913の市区町村に及んでいる。
また、わが国における新型コロナウイルスの感染拡大が始まって2年を超える時間が経過しており、長引く自粛生活をはじめ、その影響は計り知れないものとなり、多方面へ波及している。
防災の取り組みや備蓄意識、感染症対策や衛生意識、これらは全て命に関わるものと言える。地震や台風など自然災害の多い日本、現在のコロナ禍という環境がこれらの必要性を感じる人の多さにつながっているのだろう。
次の段階として、防災の取り組みや感染症対策を実践する人の一層の増加、あるいは備蓄意識や衛生意識のさらなる高まりといったステージへ到達することが求められているのではないか。