日本医療研究開発機構(AMED)内に立ち上げた新型コロナウイルスなど特定の感染症を対象としたワクチン開発の司令塔組織「先進的研究開発戦略センター」(SCARDA:スカーダ)は4日、設立後初めて戦略推進会合を開いた。1日に就任した濱口道成センター長、プロボストの古賀淳一氏も出席。濱口氏はあいさつで、「われわれがやるべきことは安心・安全なワクチンを作ることに尽きる。安心・安全とは国内で完全にワクチンを作ることができる体制だ」と述べ、国産ワクチンの実用化に意欲を示した。
濱口氏はウイルス学者として研究に携わり、2005年4月には名古屋大学大学院医学系研究科長・医学部長、09年4月には同総長、15年から今年3月まで科学技術振興機構理事長を務めていた。濱口氏は「国内でワクチン開発が進んでいた1980年代に比べ、今はmRNAワクチンのかけらもできない状況まで陥ってしまった」と述べた上で、「(ワクチンを開発していた)その状況を本気で取り戻し、新しいワクチンを作る状況にしないと日本の未来は厳しい」と危機感を露わにした。
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