元厚生労働省局長で上智大学総合人間科学部の香取照幸教授は4月26日、都内で講演し、コロナ禍で入院機能が一部で崩壊する一方で、在宅での治療がヘルスケアITソリューションに支えられた側面を指摘。ITソリューションをいかに在宅で活用するかが地域医療の行く末を決めるとの見方を示した。将来的には、常時患者をモニターできる機器や仮想現実の導入により、在宅でできる治療の範囲が広がることで、病院、入院と外来の概念が変わる「自宅の病院化」の可能性を提示。そこを見据えて製薬産業も対応する必要があるとした。
講演は、ヘルスケア関連産業の労組が所属するヘルスケア産業プラットフォームのシンポジウムで行われたもの。香取氏は、「コロナ禍で起きたことは2040年の日本の医療では、きっとこういうことが起きると言われていたことが、目の前で起こったと思っている」と話した。入院患者の過半は65歳以上で、多くは単身高齢者か高齢夫婦のみ。「家族の介護力は当てにならず、基礎疾患を持った急性疾患患者が大挙として入院し、病院が機能不全に陥る」と説明した。
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