国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター長の黒田誠氏らの研究グループは、病院の排水中に含まれる薬剤耐性菌や抗菌薬を、病院施設内に設置したオゾン処理装置によって不活化できることを実証した。大規模な装置で効果を示したのは世界で初めて。今年度中に社会実装を見据えた実証実験を行う計画で、薬剤耐性(AMR)対策のうち、環境を浄化する手段の一つとして確立したい考えだ。
研究グループは、東邦大学医療センター大橋病院の排水タンクに実験用の処理タンクを併設。病院から排出される糞便や尿を含む下水を1000Lの処理タンクに引き込み、オゾン処理による浄化を試みた。水に溶けにくいオゾンを微細な泡として水中に放出する装置で排水を処理し、浄化の可能性を検証した。
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