訪問看護師や介護専門員が薬局薬剤師に対し、患者が使用している医薬品について気軽に相談できるツールである「おくすり相談シート」の活用が進んでいない。薬剤師が在宅医療現場での問題に介入するためのツールとして、一部の自治体や薬剤師会で導入されたものの、活用事例はほとんどなく、薬剤師と介護専門員の連携体制が十分に構築できていない現状が浮き彫りとなっている。在宅医療への参画薬局が増える中、地域単位で在宅療養者の服薬管理上の課題を拾い上げ、薬剤師の介入による改善までを一連の仕組みとして取り入れていくかが今後の課題と言えそうだ。
他職種と関係構築が課題
おくすり相談シートは、在宅療養患者のケアを行う看護師、ホームヘルパー、ケアマネジャーなどが残薬や服薬困難など、服薬に関する問題を見つけた場合にかかりつけ薬剤師・薬局への相談をスムーズにし、適切な薬物療法やポリファーマシー対策につなげるもの。広島県や兵庫県神戸市、大阪府枚方市薬剤師会などが導入している。
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