TOP > HEADLINE NEWS ∨ 

【医薬品・医療機器等安全性情報】SJS・TENの集計を公表‐年間500件近くが発生

2009年10月02日 (金)

 厚生労働省医薬食品局は9月29日、医薬品・医療機器等安全性情報(第261号)を公表した。2005年10月~今年7月のスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)の副作用報告の集積状況や、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)による他害行為の分析結果を紹介している。

 SJSとTENは、副作用として発現する皮膚障害の中でも重篤なため、特別に報告状況を集計している。今回対象とした過去3年10カ月間の報告件数は、2370件で、年平均618・3件だった。前回の年平均472・2件に比べると増加したが、年間500~600件の従来水準から外れるものではなかった。

 2370件の転帰については、回復・軽快が1373件(57・9%)、未回復85件(3・6%)、後遺症あり84件(3・5%)、死亡239件(10・1%)、転帰不明589件(24・9%)となっているが、前回の転帰と大差は見られていない。

 被疑薬は、400成分が報告されており、多かったのは、痛風治療剤のアロプリノール161件と、抗てんかん剤のカルバマゼピン131件。原因医薬品(推定)の薬効分類は、抗生物質製剤、解熱鎮痛剤、抗てんかん剤が多かった。

 SSRI/SNRIによる他害行為をめぐっては、既に添付文書の改訂等で注意喚起を促しているが、今回、リスク因子探索を目的に、改めて222症例(女性111症例、男性110症例、不明1症例)を解析した。

 その結果、他害行為のレベルについては、女性の71%がレベル0で、レベル1が23%、レベル2が6%だった。しかし男性は、46%がレベル0だったが、レベル1が33%、レベル2が21%あり、女性と違い,他害行為に至るものが多い傾向が見られた。

 年齢についてみると、24歳以下での自殺念慮・自殺企図のリスク増大が添付文書により注意喚起されているが、今回の調査でも、他害行為レベルが高いほど年齢が下がっていた。

 「大うつ病・うつ病」と診断されている症例に比べ、「うつ状態」「不安障害」「強迫性障害」といった障害を併存している症例で、他害行為レベルが高かった。また、過去に衝動的行為があった症例ほど、他害行為レベルが高いという結果だった。

 このほか安全性情報では、禁煙治療補助薬のバレニクリン酒石酸塩(販売名=チャンピックス錠0・5mg、同錠1mg、ファイザー)が、直近1年間で同剤との因果関係が否定できない副作用として、抑うつ気分や不安などの神経症状が22例(死亡例なし)報告されたことから、使用上の注意の「警告欄」にこれら症状を追記するなど、関係者に注意喚起したことを紹介している。

 警告欄では、同剤との因果関係は明らかでないが、抑うつ気分、不安、焦燥、興奮、行動または思考の変化、精神障害、気分変動、攻撃的行動、敵意、自殺念慮または自殺の報告があり、投与に当たっては、患者の状態を十分に観察することを追記した。

 また、慎重投与の対象として、統合失調症、双極性障害、うつ病などの精神疾患のある患者を加えた。重大な副作用としては、SJS、多形紅斑、血管浮腫なども盛り込んだ。

関連リンク


‐AD‐

同じカテゴリーの新着記事

薬剤師 求人・薬剤師 転職・薬剤師 募集はグッピー
HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
薬学生向け情報
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術