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【東日本大震災】深刻化する医薬品不足‐宮城県の現状を避難所部隊薬剤師が報告

2011年3月18日 (金)

 東日本大震災の被害が甚大な宮城県では、東北大学病院、石巻赤十字病院、気仙沼市立病院など地域病院が連携し、医療体制を構築し、避難所で救護などに当たっている。18日までに日本病院薬剤師会に寄せられた情報によると、医薬品不足は深刻で、仙台の卸倉庫は壊滅的打撃を受けており、崩れた医薬品の山からかき集め、自転車で運んでいる状況だ。また、通信手段の遮断によって、厚生労働省の通知も十分現場に伝わっておらず、そのことが患者の病状悪化を招いている。避難所部隊の医療チームには、多くの薬剤師が参加しており、トリアージ業務や医師の専門外の薬の使い方・代替薬の相談など、不断の活動を続けている。

医師の専門外薬、代替薬の相談「薬剤師いれば2倍の診察」

 避難所部隊に参加した薬剤師からの報告によると、避難所に避難してきた人は、薬切れが非常に多く、医療チームから1~2日分を処方している状況という。また現場では、通信手段の遮断されていることから、厚生労働省の通知も十分に伝わっていない状況だ。そのため、処方せんがなくとも薬袋、お薬手帳などで、服用中の薬が分かれば、薬局で薬を受け取れるということが、現場の薬局でも知られていない。

 そのことで、被災者の病状悪化を招いている可能性があるという。またそれに伴って、トリアージに対応している薬剤師の業務量も、増大しているようだ。

 避難所で不足しているのは、降圧薬や副腎皮質ホルモン剤、向精神薬、血糖測定器など。糖尿病治療薬を服用しているにもかかわらず栄養状態が悪く、めまいを訴える患者もいる。そのほか、胃腸炎、腹痛、便秘を訴える人が多い。

 車の乗車人数の制限など、移送手段の都合から、部隊に薬剤師が参加できなかったケースもある。しかし医師からは、専門外の治療に関する処方が必要なため、薬剤師が参加することが、非常に重要といわれているようだ。避難所では、医師の専門外の薬の使い方以外にも、代替薬に関する相談も多い。部隊に参加した薬剤師によれば、「薬剤師がいることで、2倍の患者を診察できる」とも、医師からいわれたという。

 部隊に薬剤師を派遣した東北大学病院でも、医薬品の供給は不安定で、通常の50%以下しか入ってきていない。仙台の医薬品卸の倉庫は壊滅的な打撃を受けており、崩れた医薬品の山からかき集めた薬を、自転車を使って卸が病院に運んでいるという。

 緊急措置として、内服・外用剤は2日分の緊急処方のみ、退院処方でも最大3日分として、避難所などの前線に送る医薬品を確保している状況。多くの通常業務は停止され、薬剤師派遣や救急対応を優先している。東北大学病院の眞野成康薬剤部長は、「ヘリコプターを使ってでも、必要な薬品をこちらに運ぶよう、厚生労働省などは手配できないか」などとしている。

被害大きい石巻日赤‐圧倒的な薬剤師不足

 石巻赤十字病院では、薬剤師が圧倒的に足りない模様で、秋田県など近隣の県病薬などから、薬剤師が派遣されれているが、その状況は分かっていない。石巻日赤病院では、現在3交代シフトで対応中だが、院外処方を近隣の保険薬局で対応しきれていないため、院内調剤が増加。ここでも、厚労省による通知が伝わっていないことがうかがえる。

 宮城県など地方行政は、情報に追われていて、医療体制の構築まで手が回っていない状況。東北大学病院が、前線の石巻日赤病院や気仙沼市立病院と連携しながら、医療体制の構築が進められている。眞野氏によれば、特に断水の影響もあり、透析の患者が危険な状態という。また被災地では今後、感染症への対応が緊急の課題となることが見込まれており、経口抗菌剤や降圧剤等の必要性が高まりそうだ。

 山形県病院薬剤師会によれば、同県内には大きな被害はないものの、ガソリン不足と連動した医薬品、医療材料の不足が深刻化しており、院外処方日数を最大14日間として、薬剤の消費削減などを行っている。

 秋田県においても、各病院の被害はない模様。医薬品の供給については、若干の遅配は見られるものの、入手困難な状況にはないという。透析液などの水物は逼迫している。麻薬の供給も現段階のところ問題はない。

 一方で、衛生材料が各施設とも不足しており、手術の延期などが行われている。

 現地では、衛生材料の搬送が、緊急車両として扱われていないことが原因だ。

 厚労省経済課では、当初から衛生材料も緊急車両の対象になっているとする。在宅酸素や破傷風ワクチン、輸液の補給などが全面に押し出され、緊急車両の対象となる物資の事務連絡の内容が、十分認識されていなかった可能性がある。

 日病薬が経済課に確認したところ、被災地以外の地域から被災地に医薬品、医療機器、衛生材料を配送する場合については、地元警察へ事務連絡通知を持参した上で申請すれば、経済課が了承する形を取っているという。日病薬では、よりスムーズな許可取得のために、事前に経済課と連絡を取るのがベターとしている。




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