上田薬剤師会と北海道薬科大学は共同で、スマートフォンアプリを利用した電子お薬手帳の活用に関する研究を実施する。薬局を起点とした地域医療連携の中で、患者が自分の健康管理情報を活用するための環境整備が目的。アプリには保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)のQRコードを活用し、将来的に全国どこでも使える汎用性の高いシステム構築を目指す。
参加薬局は、上田薬剤師会会員薬局のうち40軒程度を想定。調査期間は最低でも2カ年以上とし、研究終了後も、電子お薬手帳を地域連携の中で継続して活用できる体制を整える。
今年度はまず北海道薬科大学がスマートフォンのお薬手帳アプリを開発し、実際に薬局に来局する患者を対象にアプリを使用してもらう。アプリはJAHISが定めるQRコードを利用することで、全国どこでも利用できるような汎用性を確保する。
さらに、電子お薬手帳の利用に関する環境調査と運用手順を検討し、システムの利活用および有用性を評価する。アプリにとどまらず、クラウドシステムを用いて情報をバックアップし、パソコンブラウザでの情報閲覧・共有をできる環境も整備する。紙ベースではなく電子手帳にすることによって、お薬手帳の活用状況がどのように変化するかも調査する。同時に海外における個人の健康記録についても動向調査し、日本の事例の参考とする。
来年度以降は、薬局を起点とした地域医療連携の中でのシステム活用方法を模索する。連携先としては病院・診療所にとどまらず、介護療養型の施設やケアマネージャーなども想定する。