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【2012年 回顧と展望】セルフM普及への「転機」の年‐OTC薬協

2012年12月26日 (水)

日本OTC医薬品協会顧問 西沢 元仁

 2012年、日本OTC医薬品協会では、[1]OTC医薬品の税制控除の実現[2]OTC医薬品枠の拡大[3]くすり教育への支援[4]「軽医療分野」の一部をセルフメディケーションで対応――という四つの柱への取り組みを活動方針とした。

 まず、OTC医薬品購入費用を従来の医療費控除とは別して、所得から控除する制度の創設を目指し、厚生労働省とも相談を重ね、与党(民主党)にも働きかけを種々行ってきた。

 厚生労働省としての要求に組み込むには、セルフメディケーションをはじめとした諸事項について、省内の理解を図る必要があるとして、政府要求には登載されなかったが、与党議員多数の連署により当該要求の検討が求められるに至るなど、昨年に比べ大きな進捗が図られた。

 年末の解散総選挙となり、自由民主党の歴史的大勝となったが、国民皆保険制度を堅持する上からも、早期の実現を期待している。

 OTC医薬品枠の拡大では、かねてからのスイッチ化スキームによるスイッチ推進は期待に比して遅々としているが、当協会加盟企業の努力によるスイッチ品目が順次審議会の了承を得て第1類医薬品として市場に登場した。

 また、早期に第1類とされたスイッチOTC薬が、その後の市販後調査結果を踏まえ、区分の見直しにより第2類医薬品として販売窓口を広げるに至っている。漢方薬の承認基準の整備により、いわゆる210処方の拡大・整備が図られ、生活者の選択に供する処方が増大したことも大きな進歩であろう。

 また、薬事法改正の検討と並行して、体外診断薬の取り扱いについて見直しが進められ、先の薬事法改正の結果、店頭から一時消え去ろうとした品目を正式にOTC医薬品として取り扱う方向での検討が進んでいることにも注目したい。

 本年4月からは、学習指導要領の改訂に基づき、中学校の教育課程で『おくすり教育』が開始されたのに続き、来年度からは高等学校においても、『おくすり教育』が実施される運びとなった。

 日本製薬工業協会およびくすりの適正使用協議会(RAD‐AR)と協力し、高等学校における『おくすり教育』を支援するDVDの作成を進め、全国約5千校の高等学校に日本薬剤師会(学校薬剤師部会)の協力を得て配布する運びとなったことも大きな進展と考えている。並行して、教育に用いる副資材としての拡大模擬パッケージの提供なども開始した。

 このような教育の推進と共に、薬剤師や登録販売者の方々の研鑽の推進により、生活者の健康維持・増進への取り組みを一層支援することが進められていることに対し、当協会ならびに加盟各社における取り組みを強化するに至った。


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