スピード承認となった難治疾患のムコ多糖症II型の治療用薬「エラプレース点滴静注液6mg」(一般名:イデュルスルファーゼ<遺伝子組み換え>、申請者:ジェンザイム・ジャパン)が、17日付で薬価基準に緊急収載されることが決まった。中央社会保険医療協議会総会で了承されたもので、同様の効能効果を持つ類似薬がないことから、薬価は原価計算方式で算定され、38万5303円(6mg3mL1瓶)となった。
ムコ多糖症II型は、体内の酵素が生まれつき欠損または機能低下し、臓器障害などが起こる難病。患者は全国で150人から300人で、同剤は希少疾病用医薬品。酵素補充療法に用いるもので、週1回点滴静注。
同剤は1月に承認申請され、3日に薬事・食品衛生審議会薬事分科会で承認が了承され、翌日の4日に承認されるという異例のスピード承認となった。厚労省は、疾病が重篤かつ進行性で、他に治療法がないことや薬の有用性から判断した。
同剤の承認についてジェンザイム・ジャパンの広報担当者は、承認の早さに驚きを見せつつ「患者さんが待ちに待っていた薬の承認であり、大変嬉しく思っている」とコメント。薬価基準収載後、すぐに発売できるよう準備を進めているという。