オーガナイザー
今西未来(京大化研)
築地仁美(愛知学院大薬)
近年、異常なリピートRNA配列が神経変性疾患の原因となることや、RNAの化学修飾やプロセシングの異常が癌を含む様々な疾患に関連することが明らかになってきたことから、RNAは重要な創薬標的として位置付けられている。しかし、RNAリピート配列の異常伸長が根本原因となる神経変性疾患に対して未だ有効な治療法が存在しないなど、薬学研究においては、RNA疾患のメカニズムの全容解明とRNAを操作する技術開発の両輪が急務となっている。
本シンポジウムでは、異常なリピートRNA配列に起因する神経変性疾患の発症機構の解析および治療薬開発に関して、神経科学から化学まで、異なる観点からのアプローチを紹介する。 また、蛋白質化学や核酸化学的アプローチを利用したRNA修飾制御やRNA編集制御など、核酸の構造や配列特異的なRNAの操作法に関する最新の知見を紹介し、RNA疾患の発症機構とその制御に向けた創薬基礎研究について多角的に議論したい。
(今西未来)