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米食品医薬品局(FDA)は、標準治療を受けている5歳以上の活動性ループス腎炎(LN)患者を対象に、GSK社の全身性エリテマトーデス(SLE)治療薬であるベンリスタ(一般名ベリムマブ〔遺伝子組換え〕)皮下注用200mg/mLオートインジェクターについて、適応拡大を承認した。ベンリスタは、完全ヒト型抗Bリンパ球刺激因子(BLyS)モノクローナル抗体製剤で、今回の承認によって、SLEおよびLNの両方に対して承認された最初で唯一の生物学的製剤となった。なお、重症の活動性中枢神経ループス患者への投与は推奨されていない。
GSK社によると、LNはSLEの最も深刻な合併症の一つであり、免疫系が誤って腎臓を攻撃することで炎症が生じ、場合によっては腎機能障害を引き起こす。一般的にSLE小児患者の約30〜50%が、SLEの診断後1〜2年以内にLNを発症するとのことだ。
ベンリスタの主要な副作用は重篤な感染症で、中には致死的な例もあった。最も一般的な副作用(5%以上)は、嘔気、下痢、発熱、鼻腔および咽頭の炎症、気管支炎、不眠症、四肢の疼痛、抑うつ症状、片頭痛、注射部位反応であった。
米国ループス財団の会長兼CEOであるLouise Vetter氏は、「小児におけるSLEは成人より進行が速く、重症化する傾向がある。症状がより強くなることがあり、小児の成長や生活の質(QOL)に長期的な影響を及ぼす可能性がある。ベンリスタ皮下注用オートインジェクターは小児とその家族にとって切望されていた選択肢であり、治療のための頻繁な通院の負担を軽減するとともに、ケアの継続性と日常生活のルーティンを考慮する際にはより柔軟な対応を可能にする」とGSK社のリリースで述べた。(HealthDay News 2025年6月30日)
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https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2025/125370s085lbl.pdf