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【医薬品市販後の安全性情報管理】Veeva

2025年09月24日 (水)

効率化クラウド普及に注力‐業務を一元的、包括的に管理

明保能氏

明保能氏

 Veevaは、安全性管理(PV)業務を統合し、効率化するクラウドソリューション「Veeva Safety」の普及に注力する。今後さらに自動化とAIにより機能を高度化し、現場課題の解決に資することを訴求する。訴求対象として、これまでどおりグローバル企業に加え、CROやPVシステムをアウトソースしている企業など、中堅企業への提案も積極的に進めていく方針だ。

 同社は、臨床開発管理、顧客エンゲージメント管理(CRM)、そして今回のPVと製薬のバリューチェーン全体を網羅するソリューションを展開している。それらソリューションは同社独自のプラットフォーム「Veeva Vault」上で稼働し、開発から販売、安全性まで複数のシステムに分散したデータや、サイロ化したプロセスを一元的に統合し、円滑なデータ連携と管理を実現する。この包括的な機能が最大の強みであり、データの整合性を確保し、業務の効率化と負担の軽減を図る。

 この中で「Veeva Safety」の意義として、アジア太平洋地域の戦略を担当するシニアディレクターの明保能満美氏は、各国の規制遵守と情報量の増加に対応するため、開発から市販後まで関連文書を含む一貫したPV業務に対応できる点を強調している。現在、特に日本を含むアジア諸国では異なるシステムで症例情報を管理したり、PSMF(ファーマコビジランスシステムマスターファイル)、文献管理、シグナル管理などの各種ドキュメントが国内外に分散して管理されていたりするケースが少なくない。そのため、製薬企業は、異なるシステム間の連携の煩雑さ、システム保守・運用の負担の大きさ、分析やレポート作成の非効率さなどといった課題に直面しているという。

 そこで同社はPV業務の一元的、包括的管理を実現し、業務課題を解決できる「Veeva Safety」を提案している。「Veeva Vault」上で稼働するため、グローバル連携とプロセスの統一化が図れ、機能間の情報連携、機能の拡張性に優れ、年3回の各国規制、最新機能の更新も提供する。

 VeevaのSafety Suiteは実装予定を含め、四つのアプリケーションからなる。▽Veeva Safety▽Safety Docs▽Safety Workbench(12月実装予定)▽Safety Signal(同)

 「Veeva Safety」は、症例の取り込みから提出、帳票やダッシュボード機能にも対応したアプリ。「Safety Docs」は安全性に関するコンテンツ管理アプリ。文献情報やアセスメント記録の一元管理、欧州や中国で要求されるPVシステムを説明する文書PSMFの一元管理、パートナーなどとのPV契約の管理などを一元的に行い、可視化する。PV業務を効率化することに加え、監査準備も容易にする。「Veeva Safety」とも連携し、データの同一性を確保する。

 「Safety Workbench」は、10万件以上の安全性情報を扱う企業向けのアプリ。既存アプリでは不十分だった複雑なレポート作成や企業側独自のカスタマイズが可能だ。

 「Safety Signal」は、Veeva Safetyの症例データ、公的副作用データベース(DB)およびSafety Docsの文献データを元にシグナルを自動検出する。まずは欧米の公的DBに対応し、今後日本のDB(JADER)への対応も予定する。

 26年8月に「Veeva Safety」に適用するAIエージェント「Safety AI」を実装予定だ。初期リリースとしては非構造化データからの情報取り込み、一定のルールに基づく症例経過報告の作成、多言語翻訳などでアプリの機能を高度化する。

 明保能氏は、「Veeva Safetyは顧客の意見と私ども他のソリューションの知見を生かして独自開発した製品。現場の業務をより効率的で豊かなものにしたい」と語る。

Veeva(Veeva Safety)
https://www.veeva.com/jp/products/vault-safety/



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