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米食品医薬品局(FDA)は10月23日、再発または難治性の多発性骨髄腫(MM)の成人患者の治療薬として、GSK社のブーレンレップ(一般名ベランタマブ・マホドチン)を、ボルテゾミブおよびデキサメタゾンとの併用療法として承認した。同薬は、プロテアソーム阻害薬(PI)および免疫調節薬(IMiDs)を含む、2ライン以上の既治療歴のある患者を対象としている。
推奨用量は、ボルテゾミブおよびデキサメタゾンとの併用で、初回の8サイクルは3週間ごとに2.5mg/kgを投与。その後は、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで単剤で同用量を投与する。
GSK社によると、MMは世界で3番目に多い血液がんであり、一般的に治療可能ではあるが根治は困難とされている。毎年、全世界で約18万件の新規症例が診断されている。MMは既存治療に対して難治性の傾向を示すことが多いという。
今回の承認は、PIとIMiDsを含む2ライン以上の既治療歴を有する、再発または難治性MMの成人患者を対象とした国際共同第3相オープンラベル試験DREAMM-7の結果に基づいている。対象者は、ブーレンレップ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(BVd)併用療法群、またはダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(DVd)併用療法群のいずれかに1対1の割合でランダムに割り付けられた。有効性は、217人(BVd群108人、DVd群109人)を対象に、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)に基づいて評価された。
PFS中央値はBVd群で31.3カ月(95%信頼区間〔CI〕23.5~未到達〔NR〕)であり、DVd群の10.4カ月(同7~13.4)と比較して、約3倍の延長が確認された(ハザード比〔HR〕0.31、95%CI 0.21~0.47)。OS中央値については、BVd群で死亡リスクが51%有意に低下した(HR 0.49、95%CI 0.32~0.76)。新たな安全性および忍容性に関するシグナルは認められなかった。
GSK社の最高科学責任者であるTony Wood氏は、「MM患者のほぼ全員が再発を経験し、同じ作用機序の薬剤を用いた治療では、しばしば最適な転帰が得られないため、新たな治療法が喫緊で必要とされている。患者の70%が治療を受ける地域医療センターを含むあらゆる医療現場で唯一、投与可能なB細胞成熟抗原(BCMA)を標的とした抗BCMA抗体薬であるブーレンレップは、患者の重要なニーズを満たしている」と、同社のリリースで述べている。
なお、ブーレンレップ併用療法は、欧州連合(EU)、英国、日本、カナダ、スイス、ブラジルにおいて、すでに承認されている。(HealthDay News 2025年10月30日)
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https://www.fda.gov/drugs/resources-information-approved-drugs/fda-approves-belantamab-mafodotin-blmf-relapsed-or-refractory-multiple-myeloma













