三井化学はこのほど、学術文献や研究報告書に記載された化学構造式から化合物に関する情報を自律的に調査・整理する生成AIエージェントシステムを独自に開発し、社内での実証実験を開始した。初期検証では、研究者の文献調査時間を80%以上削減できることを確認できたことから、今年度内に実証実験を完了し、来年度からの本格運用を目指す。
化学分野の研究開発において、特許文献や学術論文から化合物の情報を調査する作業は不可欠となる。今回、同社が独自に開発した生成AIエージェントシステムを用い、同社の研究者や技術者が持つ化学の専門知識を組み合わせることで、従来の手法では実現できなかった高度な文献調査の自動化が実現した。
同システムでは、これまで困難だった化学構造式のAIによる読み取りを可能にしており、AIエージェントが文献中の画像情報とテキスト情報を統合的に活用し、化合物に関する情報を自律的に判断・抽出する。化合物名の特定にとどまらず、文献中に記載されている用途、物性、製造方法、実験条件などの関連情報も同時に取得できる。
さらに、必要に応じて化学データベースやWeb検索情報を参照することで、より包括的な化合物情報を出力する。また、研究者のニーズに合わせたレポート作成機能を備えており、調査結果を整理された形式で出力することで、後続の分析作業や意思決定を支援する。
初期検証では、同システムを活用した文献調査において、研究者の調査時間が80%以上削減される効果を確認している。従来1カ月程度を要していた文献調査が1日程度に短縮され、研究者はより創造的な研究開発活動に注力できるようになる。
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