富士フイルムは9月10日、医師の画像診断ワークフローを支援するAIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer」の新バージョン「SYNAPSE SAI viewer Ver3.0」を、富士フイルムメディカルを通じて提供を開始した。
「Ver3.0」では、MRI頭部領域におけるAI機能を大幅に強化した。さらに、骨経時サブトラクションをはじめとする既存機能のアップデートを行い、診断支援と業務効率のさらなる向上を図っている。
脳動脈瘤の発見には、異なる撮影条件で撮影された頭部のMRI検査画像が用いられる。今回搭載する「脳動脈瘤検出プログラム」は、AI技術を活用してMRA画像を解析し、脳動脈上にある直径2mm以上の局所的に膨らんだ領域を個数制限なく検出することができる。これにより医師の読影を補助し、脳動脈瘤の見落とし防止を支援する。
また、同ソフトウェアは、医師が患者の検査画像を観察するのと同じタイミングで、AI技術による解析結果を提示するコンカレントリード型として薬事承認を取得している。これにより、設定に応じて「SYNAPSE SAI viewer」の起動時から解析結果を初期表示することができる。また、MRA画像で脳動脈を38区域にラベリング表示する「脳動脈ラベル」と組み合わせて使用することで、レポーティングの効率化が図れる。
さらに、癌が脳に転移する転移性脳腫瘍では、重篤な神経障害を引き起こし、日常生活に大きな影響を及ぼすことが知られている。今回提供する「頭部T1高信号/低信号強調フィルタ」は、造影T1強調画像から周辺組織と比較して高信号/低信号の領域を強調表示する機能。一般的に、造影T1画像で高信号/低信号となる領域は脳腫瘍である可能性が高く、同機能によってこれらの所見の診断支援につながることが期待される。
加えて、脳室拡大の評価では、認知症と正常圧水頭症の鑑別を目的に、「Evans Index」および「脳梁角」の計測が用いられることがありる。今回のバージョンアップでは、T2強調画像から「Evans Index」および「脳梁角」を自動計測する機能を搭載している。これにより、再現性の高い定量情報の提供につながることが期待される。
骨病変の診断支援機能として、2020年にリリースした「骨経時サブトラクション」の機能を拡張している。処理可能な画像条件を拡大し、スライス厚5mm以下の画像にも対応している。これにより、骨転移のさらなる診断支援につながることが期待される。
一方、今回、複数の定型文を一括でレポート送信できる機能を新たに搭載した。ユーザー設定により、AI解析結果の一括表示時に専用ダイアログを自動で表示し、選択した所見文をまとめてレポートに反映できる。必要に応じてカテゴリーの変更や加筆修正を行うことも可能となっている。同機能により、個人差の少ない所見文の作成と、レポーティング業務にかかる負荷の軽減を目指している。
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