◆抗菌薬の適正使用の重要性が叫ばれる中、治療法がない「スーパー耐性菌」が増加している。カルバペネム耐性の肺炎桿菌「KPC」が出現し世界に拡大。多剤耐性菌の先進国である米国で猛威を振るう
◆その背景には、新規抗菌薬の承認数の減少がある。承認のハードルが高くなり、新薬開発が難しくなったこと。加えて、投与期間の短さゆえに、マーケットとしての魅力に欠け、抗菌薬の開発に取り組む製薬企業が激減している
◆その結果、米国では既存の抗菌薬の高用量投与が平然と行われている。こうした不適切な抗菌薬の使用によって、多剤薬剤耐性菌が増加。近い将来、日本もスーパー耐性菌の脅威にさらされるかもしれない
◆これまで耐性菌の出現に対し、新規抗菌薬の研究開発で対応してきた。しかし、新薬が出にくくなった今、適正使用の実現に向けた製薬企業の情報提供活動が重要となる。日本細菌学会では、後発品の承認・販売時の抗菌活性が、先発品販売時と異なることから、「新薬メーカーだけでなく、後発メーカーにも、耐性菌増加の問題に対し、同じ責任を課すべき」と提言している。
「スーパー耐性菌」
2010年07月16日 (金)
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