厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会は25日、新薬・医療機器に関する承認手続きの分科会規定について、確認事項を改正し、適用・毒性・副作用などの点で慎重な審議が必要な品目に限定して、分科会で審議する新ルールを、4月から適用することを了承した。これによって、多くの品目で分科会への報告は事後で済み、承認時期が1カ月程度早まる可能性が出てきた。
これまで、新規の作用機序や新有効成分を含有した医薬品などは、部会を通過した後、分科会で再度審議することになっていた。しかし、分科会審議の対象範囲を見直すことで、新規作用機序品目なども分科会報告扱いとなり、部会での了承を得た時点で承認手続きに入れるようになる。
例えば、2月の部会で審議した新規作用機序の直接経口Xa阻害薬「リクシアナ」の場合、3月の分科会で審議・了承され、4月に正式承認される見通しだが、新ルールが適用されていれば、分科会には事後報告で済み、3月中にも正式承認されることもあり得た。
ただ、厚労省は、正式承認の時期をこれまで通り年4回で変えない方針。
また、申請企業にとっては、承認までのスケジュールがタイトになるため、作業の負担が大きくなることもありそうだ。
分科会審議の対象となる品目は、社会的な影響も想定されるため、原則として、パブリック・コメントを実施する。過去にパブコメを行った品目としては、2月に承認された緊急避妊薬「ノルレボ」、輸入新型インフルエンザワクチン(10年1月)、多発性骨髄腫治療薬の「サリドマイド」(08年10月)などがある。