厚生労働省健康局長 矢島 鉄也

がん対策については、新たながん対策推進基本計画が昨年6月に閣議決定されたところです。基本計画では、全体目標に「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」を新たに掲げており、がん患者とその家族を社会全体で支えていくことにしています。
生活習慣病対策については、国民一体となった健康づくり運動を総合的かつ積極的に進める「健康日本21」を2000年度から推進してきましたが、昨年7月に、健康寿命の延伸に加え健康格差の縮小、重症化予防や社会環境を整備することなどを基本的方向に追加し、栄養・食生活や喫煙など53項目の目標を設定した「健康日本21(第二次)」を策定したところであり、13年度から新たな国民健康づくり運動として推進していきます。
予防接種については、昨年5月の厚生科学審議会予防接種部会の第二次提言を踏まえ、子宮頸がん予防、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンの定期接種化などを内容とする予防接種法の改正案を通常国会に提出できるよう取り組んでいきます。
新型インフルエンザについては、その対策をさらに推進するための新型インフルエンザ等対策特別措置法が昨年に成立し、今年5月までに施行される予定です。円滑な施行に向けて、新型インフルエンザ等対策有識者会議での議論を踏まえ、地方公共団体や関係団体などと連携を図りながら、体制整備に取り組んでいきます。
難病対策については、患者の長期かつ重度の精神的、身体的、経済的負担を社会全体で支えるため、医療費助成について、助成対象の希少・難治性疾患の範囲の拡大を含め、より公平・安定的な支援の仕組みの構築を目指すと共に、法制化も視野に入れ総合的な施策の実施や支援の仕組みの構築を目指します。