
米食品医薬品局(FDA)は6月26日、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の成人患者の治療薬としてデュピルマブ(商品名デュピクセント)を承認したと発表した。
注射剤であるデュピクセントは、2017年には、12歳以上の患者を対象に、局所療法で十分にコントロールされていない湿疹の治療薬として、2018年には中等度から重度の好酸球性喘息または経口ステロイドに依存している喘息に対する追加維持療法として既にFDAの承認を受けている。なお、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の成人患者に対する同薬の推奨用量は隔週300mgである。
デュピクセントの有効性および安全性については、吸入ステロイド薬を使用しても症状の持続がみられる18歳以上の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者724例を対象に実施した2件の臨床試験で確認された。これらの試験では、デュピクセント群では、プラセボ群に比べて鼻茸サイズと鼻閉が有意に改善したことが明らかになった。また、デュピクセント群では、嗅覚の改善に加えて鼻茸手術や経口ステロイド投与の必要性が低下したことが報告された。
デュピクセントの最も一般的な副作用には、注射部位反応や関節痛が挙げられている。また、同薬は、重篤なアレルギー反応、結膜炎や角膜炎などの眼障害を引き起こすことがある。添付文書には、考えられる副作用として好酸球増加症や不眠症、歯痛、胃炎が記載されている。さらに、同薬を投与する際は、生ワクチンの接種を受けないようFDAは注意喚起している。
なお、デュピクセントはRegeneron Pharmaceuticals社がFDAの承認を取得した。(HealthDay News 2019年6月26日)
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https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-treatment-chronic-rhinosinusitis-nasal-polyps