オーガナイザー
伊藤康一(徳島文理大香川薬)
てんかんは、脳神経疾患の中で一般的な疾患の一つで全ての年齢で発症するが、その中で乳幼児・小児および高齢者の年齢層において患者数多い。薬剤師も臨床現場において抗てんかん薬の処方に接する機会は決して少なくない。
てんかん発症に様々な原因があると考えられ、その症状も多岐にわたることから、診断、治療で難しい面も多い。てんかんは特定の発作タイプと、年齢に依存する因子および予後に特徴があるが、てんかん発症機構や治療抵抗性てんかんや予防治療に関する研究はほとんど進んでいない。てんかんは適切な薬物治療により約70%が寛解する一方、薬物治療抵抗性も30%以上存在する。現在、新規てんかん治療薬を含めて27種類あるが、全て発作治療薬である。
本シンポジウムでは、てんかん発症機構を考えながら、発症者数が多い小児科領域と高齢者領域でのてんかんに対する予防、治療薬を含めた治療戦略に関して、基礎と臨床両面からの発表、討論を行い、てんかん治療と薬剤師・薬学関係者との関わり合いなども含めて、今後の医療現場での一助にしてもらいたいと思う。
(伊藤康一)