LINEで服薬情報を一元管理‐ファーマシフト つながる薬局

服薬フォローの様子
厚生労働省は1日に公表した「電子版お薬手帳ガイドライン」案で、利用者が一つの電子版お薬手帳サービス(電子お薬手帳)の利用を促すことを薬局に求めた。調剤薬局チェーンを中心に多くの電子お薬手帳サービスがある中で、今後はファーマシフトが提供する電子お薬手帳「つながる薬局」の利用拡大が見込まれる。
つながる薬局はお薬手帳の機能に加え、処方箋の送信やオンライン服薬指導、薬剤師へ相談など五つの機能をLINE上で利用できる。新たなアプリをダウンロードする手間がなく、LINEで友だち登録をするだけで利用できるという手軽さから、登録者数は63万人に上る。現在1000企業3300店舗の薬局で導入されているように、法人の枠を越えてサービスを提供することで同社は全国の薬局が共通で使えるプラットフォームの構築と、利用者による服薬情報の一元管理促進を目指す。
つながる薬局の強みの一つである登録率の高さについて、同社の多湖健太郎社長は「試験導入時にアプリ版と比べて登録率は10倍に伸びた。登録を勧める薬剤師からも好評だった」と振り返る。
友だち登録後すぐに処方箋送信機能が利用できるほか、利用者が特定の薬局をかかりつけ登録すると、チャットによる健康・お薬相談、お薬手帳、オンライン服薬指導、問診票の提出という四つの機能が利用できるようになる。かかりつけ薬局の登録は薬局店頭で専用のコードを読み取るか、LINEからリクエストを送ることで行える。
つながる薬局導入後は新規医療機関からの処方箋が増加し、処方箋送信数が前年同月比で10倍以上になった事例もある。
加えて、服薬フォロー件数の増加にも注力している。同社によると、LINEで行う服薬指導は、電話で行った場合と比べてかかる時間が約7分短縮できるという。さらに、薬剤師がメッセージを送信しやすいよう、メッセージのテンプレートを作成し、予約送信機能を実装した。この機能を組み合わせることで、薬剤師は一から文章を作り上げる手間がなくなり、送り忘れを防止できる。加えて、利用者が返信しやすいように、はい・いいえなど選択式の回答を送信する機能も追加した。
3月にはオンライン服薬指導時の画面共有機能を実装し、今後はマイナポータルとの連携を予定している。薬剤師側だけではなく、利用者にとっての使いやすさも追求し続けている。
多湖氏は「リアル店舗のような温かみの伝わるコミュニケーションをLINEでも提供できるようにしたい」との考えで、つながる薬局を通じて利用者と薬局間のさらなる信頼獲得を目指す。
ファーマシフト(つながる薬局)
https://psft.co.jp/pharmacy/