ドラッグストアチェーンのキリン堂は5月1日、現代表取締役会長の寺西忠幸氏が社長職を兼務する代表取締役異動の内定を発表した。12日に開催する定時株主総会後の取締役会を経て正式に決定する。現代表取締役社長の寺西豊彦氏は代表権のない取締役副社長に就任する予定。
異動の理由として同社は、「昨今の経済環境を鑑み、権限の集中による早期の構造改革を達成し、一段の経営体質の強化を図ることが目的」だとしている。ドラッグストア業界は、6月に完全施行となる改正薬事法への対応に向けた取り組みが喫緊の課題になっており、代表取締役を1人にして権限を集中させ、営業現場を含めた意思決定のスピード化を図る考えのようだ。
寺西忠幸氏は1929年3月生まれの80歳。創業時から社長を務め、03年9月に長男の豊彦氏に社長を譲り、会長職に。今回の異動で約5年8カ月ぶりに社長職に就くことになる。同社は関西地区を中心に展開。09年2月期業績は売上高は1066億9500万円で、グループ店舗数は309店舗。