オーガナイザー
大戸梅治(東大院薬)
竹内恒(東大院薬)
近年、生体高分子の立体構造をもとに生命現象を理解しようとする構造生物学は新たな局面を迎えている。X線結晶構造解析および核磁気共鳴法に加え、クライオ電子顕微鏡法および高精度蛋白質立体構造予測プログラムの発展等により、従来よりも蛋白質の立体構造へのアクセスが飛躍的に向上し、あらゆる生命科学の領域において、これらの構造情報を活用することが重要になってきている。創薬においても、構造情報を活用することで新しい作用機序に基づいた薬剤の開発も可能となることが期待される。
本シンポジウムでは、構造創薬研究を展開する5人の日本のトップ研究者を結集し、その最前線の状況を聴衆と共有することを目的とする。創薬をキーワードに、NMRを用いた動的蛋白質複合体の構造、キネティクスの理解、蛋白質相互作用解析、クライオ電子顕微鏡構造解析に関して講演いただく予定である。
本シンポジウムが、薬学における構造創薬研究の発展を促す機会となることを願う。
(大戸梅治)