北海道大学病院脳神経外科の研究グループは、慢性期脳出血で手足の麻痺が後遺症として残った患者に対して、自身の骨髄間葉系幹細胞から製造した再生医療等製品(HUFF-01)を脳内に投与する医師主導治験を開始したと発表した。慢性期脳出血患者に対して、HUFF-01を投与するのは世界で初めて。5月に北大病院で第1例目の投与が行われ、投与手術後の経過は順調としている。今後、安全性と有効性を1年かけて観察し、2年間で計8人の慢性期脳出血患者に投与される予定だ。
脳の血管が破れることによって生じる脳出血は、全国で1年間に約5万人が発症し、その約70%が死亡か後遺症を残す重篤な疾患である。患者は身体的管理や就業、QOLなどに大きなハンディを抱えるものの、手足の麻痺などの後遺症を治す治療法は存在しない。理由の一つとして、いったん傷害された脳神経組織を再生させる治療法が確立していないことがある。そのため、現在の治療法は障害を可能な限り軽度にとどめる治療法やリハビリテーションによる機能回復になるが、満足な効果は得られていないのが現状だ。
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