
医薬品製造販売後のデータ集積に向けて医療機関からの副作用自発報告の増加が課題とされる中、薬剤師の副作用報告に多大な業務負荷がかかっている実態が判明した。2023年度から3年間にわたって実施する厚生労働科学研究「ICT技術を利用した新規安全性情報報告の基盤構築に資する調査研究」の初年度の研究成果では、副作用1例を報告するのに「30分以上」費やしているのが約9割、「1時間以上」は約3割に達した。一番手間がかかっている作業として「カルテでの情報の照合」が大半を占め、研究班では今後、電子カルテシステムから副作用報告を行うための基盤構築に向けた調査研究を進めていく方針だ。
21日に都内とウェブのハイブリットで開催されたシンポジウムで、分担研究者の舟越亮寛氏(亀田医療大学総合研究所・特任研究員)から報告された。
その結果によると、副作用を送ったことが「ある」は半数程度だった。副作用・副反応報告の入力・記入・提出まで1症例の報告にかかった時間を聞いたところ、「30分未満」は11%にとどまり、「30分~1時間未満」が57%と大半を占めた。「1時間以上~2時間未満」は24%、「2時間以上」は8%だった。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。