富士経済はこのほど、アンチエイジング効果が注目され、近年急成長しているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)含有商品の国内市場を調査し、その結果を「国産化・低価格化などにより市場成長期に移行するNMN製品(サプリメント、化粧品)及び原料市場調査」にまとめた。それによると、NMN含有商品(サプリメント、化粧品)の2031年国内市場に関しては、24年比91.8%増の305億円と予測した。
調査結果の概要によると、NMN含有商品(サプリメント、化粧品)の国内市場については、15年頃から“若返りのビタミン”として注目 され、欧米や中国で商品市場が確立された後、19年に日本でサプリメントが発売された。当初は原料価格が高かったことから商品も高価であり、需要が大きく伸びることはなかったが、21年頃から原料価格が下がりはじめ、購入しやすい価格帯の商品が急増したことで、市場拡大が続いている状況。消費者の認知度はまだ低いものの、アンチエイジングへの着実な需要があることから、展開商品の増加に加え、成分・効能への認知や理解が進むことにより、今後も市場は拡大していくとみられている。
サプリメントにおいて、NMNは久しぶりに登場した注目成分であり、認知向上や原料価格の低下にともなって参入企業が増加。参入企業はスタートアップが多く、WEBを活用したプロモーションに積極的であるため、ユーザーは同様の訴求効能を持つ抗酸化・抗加齢サプリメントと比較して若年層が多くなっている。近年、大手や中堅企業が参入したため、マス広告の展開などによりユーザー層の広がりも期待される。
化粧品に関しては、NMNが湿度への弱さや、皮膚への浸透性に課題があるため、加工技術や研究の進展により商品展開が始まった。今後、商品の増加やサプリメントとのクロスセル提案による販売促進で、市場が拡大するとみられている。
価格帯別市場をみると、24年は高価格帯(3万円以上)が25.2%、中価格帯(1万円から3万円未満)が42.8%、低価格帯(1万円未満)が32.1%という状況。23年は全ての価格帯が構成比30%弱から30%台後半に集約していたが、24年に中価格帯が前年比2倍以上伸び、市場のボリュームゾーンとなった。