日本メドトロニックは2日、治療抵抗性高血圧に対するカテーテル治療で使用する「Symplicity Spyral腎デナベーションシステム(RDN)」の薬事承認を1日に取得したと発表した。今後、保険診療下で治療を提供できるよう保険適用に向けた手続きを開始していく。

同システムは、過剰に活動して高血圧の原因となる腎臓付近の神経に高周波エネルギーを供給する手技。鎮静後、医師は腎臓につながる動脈にカテーテルを挿入する。カテーテルが挿入されると、医師は腎臓につながる神経の過剰な活動を鎮めるため、システムにエネルギーを送出する。その後、カテーテルは抜去され、体内には何も残らない。動脈への影響を最小限に抑えながらも、腎神経に働きかけて血圧を管理することができる。
同システムは現在、世界70カ国以上で商業使用が承認されており、これまで3万人を超える高血圧患者に提供されてきている。
2023年に欧米で行われた調査では、高血圧の患者の約45%が「3剤以上の薬剤を服用しても血圧が150mmHg以上」である場合、非薬物治療(RDN)を希望するという結果が得られている。また、患者の最も重視する治療効果として「収縮期血圧の低下」と「効果の持続性」が挙げられ、治療形態よりも効果そのものを重視する傾向が示されている。
自治医科大学内科学講座循環器内科学部門の苅尾七臣教授は、「この承認は、薬物療法と生活習慣の改善を補完する解決策を提供し、高血圧治療の変革への道を開くもの。同システムは、臨床医にとっても患者にとっても有望な治療選択肢で、特に血圧を下げるための新たなアプローチを切実に求めている患者にとって、高血圧治療における重大なアンメット・ニーズを満たす機会を提供する」と述べている。
また、同社コロナリー&リーナルデナベーション・ディレクターの尾崎洋子氏は、「Symplicity Spyral 腎デナベーションシステムの発売を通じて、薬物療法だけでは十分に管理できない高血圧の患者さんに新たな治療の選択肢を提供できることを大変嬉しく思っており、患者の生活の質向上に貢献することを目指していく」としている。
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