
肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療薬として、これまでの肺血管拡張作用とは異なる新たな作用の治療薬が登場した。血流を悪くする血管の細胞増殖により血管壁が厚くなるのを抑える作用を持つMSDの「エアウィン皮下注」(一般名:ソタテルセプト遺伝子組み換え)で、疾患本態に作用し進行を抑える。既存の肺血管拡張薬と併用する。2日のセミナーで講演した久留米大学医学部内科学講座心臓・血管内科部門の福本義弘主任教授は、少しの運動で息切れしていた患者が、子供の相手や買い物ができるようになったりすることが期待されると説明した。
PAHでは、心臓から肺に血液を送る肺動脈の細い血管が過収縮や血管内の細胞増殖で異常に狭くなることで、肺動脈の血圧が高くなる。そのため、心臓に負担がかかることで心筋が厚くなり、心機能の低下が進む。
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