
Q
薬学部4年生です。後期が始まり、OSCE対策などもあって少しずつ就職が近づいているのだと実感してきました。就職活動をそろそろ始めたいと思うのですが、まず何から、どう始めたらいいのか、全く分かりません。
A
学生生活も残り2年半ということで、少し焦る気持ちが沸き起こっているようですね。確かに、最近では薬学部5年生の後半で、既に就職内定を獲得している学生もいます。
実は政府は、企業側に、就職説明会は卒業年度に入る3月1日以降開始、選考会は卒業年度の6月1日以降に、内定を出すのは10月1日以降にと要請しているのですが、現実はもっと早くから採用活動は始まっていることを知っておいてください。
さて、就活において何から始めるか。4年生の今やるべきことは、[1]「薬剤師職を選ぶか、選ばないのか」を自己決定することが最優先です。これまでの各科目の講義やゲスト講義で、薬剤師の仕事がどのようなものか、大まかにはイメージできていると思います。お分かりの通り薬剤師は、医師や看護師と同じく医療職ですので、心身に何かしら不調がある「患者」に向き合う仕事で、その仕事の特徴は、自分のことよりも患者のことを優先するという働くスタンスにあります。自分はそんな働き方をする覚悟があるかどうか、他人をいたわり慈しむ気持ちを持って仕事をしたいかどうかを、自問自答してみることです。
[2]その後は、入院が必要な重篤な患者が主対象の病院、生活習慣病等での通院患者と在宅医療を受ける患者が主対象の薬局、その薬局業務に加え市販薬の販売にも力を入れるドラッグストア企業、主に三つのどの領域に携わりたいかを自己分析する必要があります。
具体的な仕事内容が分かる実務実習まで待たなくても、周りに病院や薬局でアルバイトをしているご友人に、今すぐにでも働く現場情報を集めましょう。判断材料になると思いますよ。また、「最初は病院、次は薬局」と言う学生さんもいるようですが、薬局はいつでも就職できるという考えは甘いです。過去にそういう時代もありましたが、今は誰でもどこでも容易に転職できる時代ではありませんので、誤解のないように。
[3]自分を見つめてみて、他人をいたわる医療職より他に興味があるなと思ったならば、早期に薬学生を採用対象に含んでいる、製薬含めた一般企業をリサーチしましょう。その数は多く、企業研究に時間がかかるのです。筆記試験や語学力で足切りする企業もあり、学生間の競争が激しいので対策が必要です。まずは、薬剤師職を本当に自分の一生の仕事にしたいかどうかを自問自答。結果として、薬剤師職しかなれなかったとしたら、その時は医療職として働く覚悟を持たなければなりません。熟考し、納得のいく就活をしましょう。