持田製薬と伊藤忠商事は22日、日医工、共和薬品、T’sファーマ(旧武田テバファーマ)を傘下に置く医薬品製造グループ会社であるアンドファーマの第三者割当増資を引き受け、株式をそれぞれ20%ずつ取得すると発表した。10月1日付で実施する予定。持田は既存品目の製造連携を見据える。伊藤忠は原薬をはじめサプライチェーン強化などに取り組む。
この増資を実施することでアンドファーマ株の60%は国内ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が管理運営する会社が持つ。持田と伊藤忠はそれぞれ20%ずつ持つことで、アンドファーマを持分法適用会社化する。株式取得額はそれぞれ約162億円。
持田は、アンドファーマの子会社各社との協業により、持田グループが有するバイオシミラーの開発・事業化ノウハウと、アンドファーマの子会社が有するバイオシミラーの製造能力とのシナジーの創出を目指す。合わせて、既存品目の製造連携も見据え、コア事業である医薬事業の収益力強化につなげたい考え。
伊藤忠は、原薬調達から研究開発支援、流通支援などを含む幅広いサプライチェーンの知見・ノウハウと持田の研究開発力・技術力を生かし、アンドファーマの製造、品質管理、供給基盤を強化を図る。後発品のサプライチェーン強靭化による生産効率および安定供給体制の向上に取り組むと説明している。
両社は、アンドファーマに対し、日医工をはじめとする後発品3社を傘下に収め、国内大手ジェネリック医薬品と肩を並べる売上規模を有するとの見方を示す。さらに、オーソライズドジェネリック(AG)を含む後発品、バイオシミラー、長期収載品と幅広い品揃えをし、国内医薬品の安定供給の一端を担っているとの認識を示し、将来の事業成長に期待を寄せている。