【矢野経済研究所】フェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場に関する調査を実施（2025年）‐2024年のフェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場規模は803億9100万円

　矢野経済研究所は、フェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場を調査し、国内の参入企業の現況や動向、市場の課題と展望を明らかにした。それによると、2024年のフェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場規模は前年比107.1％の803億9100万円と推計した。

　主な調査結果によると、分野別市場で、更年期ケアに関しては更年期症状自体の認知度が上昇したことで、更年期ケア市場は21年以降、二桁成長を続けている。23年には不妊・妊よう性／妊娠・産後ケアの市場規模を抜き、24年には約280億円規模にまで成長した。

　また、日本では特にタブー視される傾向にあったセクシャルウェルネスの市場も、金額規模は小さいものの、更年期ケア市場と同様に21年以降、毎年二桁伸長を続けており、フェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場拡大に寄与している。

　25年のフェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場に関しては、前年比110.5％の888億6000万円を見込む。専門店の閉店・規模縮小や、生理（月経）ケア分野での一部企業の撤退など、ここ数年はネガティブなニュースも目立ち、「フェムテックブーム」は一巡したように見えるものの、更年期ケアやセクシャルウェルネスの認知の広がりが市場規模拡大に寄与しているものとみられている。

　また、アイテム・サービスのドラッグストア・バラエティーショップでの展開も強化され、流通チャネルは全国に広がりつつある状況。さらに、24年下期にはドラッグストアのPB商品も発売され、より幅広い層への訴求が可能となった。同研究所は、「このように、アイテム・サービスおよび流通チャネルの拡大によって、フェムケア＆フェムテック（消費財・サービス）市場は「ブーム」という一過性のものではなく、「女性の健康課題に寄り添う存在」として、さらなる成長が期待される」としている。