日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は9日、都内で開いた第10回通常総会で2009年度事業計画、組織人事を承認し、新会長に寺西忠幸氏(キリン堂代表取締役会長兼社長)を選出した。協会設立から10年間にわたり会長を務めた松本南海雄氏(マツモトキヨシホールディングス代表取締役会長兼CEO)は名誉会長として、新体制を支える。
JACDSは今年が設立10周年の節目に当たり、新体制でのスタートとなったが、寺西新会長は「松本名誉会長の協力も得ながら、理事、会員をはじめ業界が一致団結して、2015年に10兆円産業という目標に向けて努力していきたい」と抱負を述べた。
総会後の会見で寺西新会長は、「昨年のリーマンショックや、今年のGM倒産など世界は大きく変革しているが、JACDSが10年間で取り組んできた問題はそれ以上と思う。よくこれだけ多岐の活動を展開できたなというのが実感だ」と述べた上で、「松本前会長のリーダーシップと、関係者それぞれが議論を重ねて問題に取り組んできたことが、一つずつ着実に前進してきたと思う」とした。
今後に関しては、「社会の大変革と業界の変革の中、JACDSの果たすべき役割は、これからが出発点と思っている。新たな時代の薬業界、JACDSをより発展させ、10兆円産業への思いを一つにして取り組んでいきたい。今後、ドラッグストアの果たす役割、責任はますます大きくなる。さらに前進していく覚悟で臨みたい」と語った。
松本名誉会長は10年間を振り返り、特に印象に残った活動として、JAPANドラッグストアショーを挙げた。「登録販売者制度の導入も、われわれが目指してきた一つの成果だと思う。ドラッグストアの認知を目的としたドラッグストアショーも、会期中の来場者数約13万人を集める国内有数の一大イベントになった。今後は、より国外へもアピールすることで、さらに拡大も期待される。改正薬事法の施行、面分業の推進などに寺西新会長の下、会員が一致団結し、全力投球していくことで、ドラッグストア業界の10兆円産業も可能となる。業界のエゴだけで制度を運営するのではなく、消費者のために良い制度となるように進めていけば、必ず消費者に支持されると思う」と強調した。