キヤノンは17日、次世代のX線CTとして注目されるフォトンカウンティングCT(PCCT)において、国産初のPCCTとなる新製品「Ultimion(アルティミオン)」の国内販売を開始する。
同製品は、従来のCT検出器とは異なり、テルル化亜鉛カドミウム(CZT)を用いたフォトンカウンティング検出器を採用し、高いX線検出能力と線量効率を実現している。これにより、高分解能化による病変検出能の向上と被ばく線量の低減が期待できる。
また、スペクトラル画像では様々な物質の弁別が可能となるため、診断精度のさらなる向上が期待できる。さらに、PCCTの特性に対応したX線管とDLR(Deep Learning Reconstruction)を組み合わせることにより、循環器、呼吸器、整形など幅広い領域の検査内容に応じた柔軟な条件設定が可能となっている。
同製品では、CTの高機能化に伴う運用の複雑化やPCCTによる診断情報の増加に対応するため、自動化技術「INSTINX」を採用し、効率的な検査ワークフローを実現している。また、同社製ワークステーションと連携し、診断情報をバックグラウンドで自動処理してPACSへと転送することで、読影の手を止めることなく必要な情報への迅速なアクセスが可能となっている。
このほか、冷却用のチラーが不要で、導入時の設備追加を抑えられるため、既存の検査室への柔軟な設置に対応している。高効率な検査環境を実現することで導入施設の生産性向上が図れる。
同社は、2020年から世界中の様々な医療施設と連携し、PCCTの実用化に向けた共同研究を進めてきた。日本・欧州・米国において、それぞれの地域の法規制に適合した臨床研究用の装置が稼働しており、その臨床的価値やPCCTのポテンシャルについては、各種学会にて多くの臨床エビデンスとして報告されている。
そこで得られた様々な知見や臨床ニーズをもとに、同製品が開発された。今年3月からは、同製品を用いた臨床研究を国立がん研究センター東病院、国立がん研究センター先端医療開発センターと共同で開始している。
なお同製品は、17~19日に横浜市のパシフィコ横浜で開催される「2026国際医用画像総合展(ITEM2026)」での展示を予定している。
















