富士通はこのほど、複数のAIエージェントがチームとして業務を遂行し、日々の実行結果、人によるフィードバック、制度改定、仕様変更などの様々な変化から継続的かつ安全に自律して学習する自己進化マルチAIエージェント技術を開発した。
従来のAIエージェントでは、与えられた指示に対して高い処理能力を発揮する一方で、失敗した理由を自ら整理し、次の業務に安全に反映することは困難だった。このため、AIエージェントを最新の業務環境に適応させるには、専門家がプロンプト、検索方法、評価基準、運用ルールを継続的に調整する必要があった。
同社は、この課題を解決するため、AIエージェントが業務経験を自ら検証しながら安全に学習する技術を開発した。これは、業務実行の結果や人のフィードバック、制度改定や仕様変更などの変化を取り込みながら、継続的に安全に進化するマルチAIエージェント技術。
最大の特長は、AIエージェントが業務を遂行しながら成功・失敗理由を整理し、次に活かすべき知識や行動のコツを抽出し、生成した改善案をそのまま記憶するのではなく、品質や安全性を検証したうえで、有効なものだけを学習することが挙げられる。これによって、従来は専門家が継続的に行っていたプロンプト調整や評価基準の更新といった作業を、AIエージェント自らが担うことが可能となっている。
また、AIを顧客環境内に配置することで、業務運用の中で発生する個別ルールや判断基準にも継続的に適応し、人と環境とともに進化する業務基盤が実現する。
同社は、この技術を専有型AIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi Enterprise AI Factory」に組み込み、業務特化AIの内製化および自律運用を支援する中核技術として提供する予定にしている。また、AIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」の先端AI技術の一つとして、専門知識と継続的な改善が求められる幅広い領域への適用を進めていく。
また、カーネギーメロン大学のGraham Neubig准教授、Tim Dettmers助教との共同研究の知見と、同社が開発した生成AI再構成技術を組み合わせることで、自己進化マルチAIエージェントシステムをより少ないメモリと電力で動作させる技術開発を進めていく。これによって、クラウド環境だけでなく、機密性が高い現場のオンプレミス環境やエッジ環境でも、業務を学び続けるAIチームの活用を目指していく。
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