島津製作所は7月21日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した宇宙戦略基金事業の技術開発テーマの一つである「宇宙転用・新産業シーズ創出拠点“SX-CRANE”」(技術開発課題の名称は「有人火星時代に向けた環境センサ・小型ペイロード開発拠点(牽引型)」)に、代表機関である東京科学大学(研究代表者:関根康人教授)の連携機関(研究分担者)として参画すると発表した。同課題の採択は6月9日にJAXAから発表された。
同社は、TMR効果を用いたスピントロニクスデバイスを応用し、宇宙空間で使える直交3軸の感度軸を持つ「量子スピン磁力計」の開発を担する。無人探査機に搭載可能な磁力計は、宇宙空間での観測だけでなく、地球における環境のモニタリング、防災、資源探査などでの利用可能性も秘めている。
なお、同社は「量子スピン磁力計」について東京大学先端科学技術研究センターの関華奈子教授の研究チームが担当する「着陸地点評価局」の構成品として、2030年代に計画されている火星着陸探査機への搭載を目指している。
「宇宙転用・新産業シーズ創出拠点“SX-CRANE”」で東京科学大は、「有人火星時代に向けた環境センサ・小型ペイロード開発拠点」と、「宇宙での医療と一体化した居住空間開発拠点」(研究代表者:藤田浩二教授)の2拠点が採択されている。
同大では、「善き未来」の実現に向けた分野横断型の新研究体制「Visionary Initiatives(VI:ビジョナリーイニシアティブ)」を推進している。その中の一つであるSpace Innovation「宇宙と生命の真理を探究し、宇宙生活圏を開拓する」は、医療(生活・健康)、環境(計測・制御)、資源(探査・利用)という異なる領域が相互に補完し合うことで、宇宙における持続的な生活基盤の構築を目指す取り組み。
このVIでは、今回の拠点に加え、第1期(探査)で採択された「テラヘルツ波リモートセンシング衛星による月地下浅部の資源探査(代表研究者:笠井康子)」などとも連携し、宇宙における「資源・環境・医療」を統合的に扱う「宇宙関連コンソーシアム(仮)」の設立(2026年9月頃)を検討している。これにより、産学官連携による新たな研究・産業基盤の構築を目指していく。
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