
「RED-ONION」の利用イメージ
大阪大学D3センター(D3センター)、同大産業科学研究所(産業科学研究所)、 NECはこのほど、阪大吹田キャンパス内のD3センターと産業科学研究所間で、ゲノムや医療などの機微データ、その解析・処理結果などの大容量研究データを双方向に安全かつ高速に移動する次世代データ転送基盤「RED-ONION (Research EnhanceD Osaka university Next-generation Infrastructure for Open research and innovatioN)」を構築し、今年10月から試験運用を開始する予定だと発表した。
同基盤は、D3センターの伊達進教授(先進高性能計算基盤システム研究部門/高性能計算・データ分析融合研究基盤協働研究所)、高橋慧智准教授(先進高性能計算基盤システム研究部門)らによる超高速データ転送に関する技術研究を起点として、D3センターとNECは共創し、大規模な研究データを効率的に移送するための次世代データ転送基盤「RED-ONION」を構築したもの。両者は実証実験と改良を重ね、阪大の研究現場での試験運用開始に至った。
NECは、この成果に長年培ってきた開発技術を組み合わせ、超高速データ転送ソリューション「NEC Ultra-high-speed Data Transfer System(NEC UDTS)」として確立しており、他の大学・研究機関にも展開可能な形での社会実装を目指している。
同基盤は、D3センターと産業科学研究所を専用光ファイバーネットワークで接続し、ネットワーク回線性能を最大限に活用した、ディスク-ディスク間の大容量データ転送が実現している。
一般的なデータ転送方式では、ネットワーク帯域を十分に確保しても、転送元および受け入れ先の計算サーバ内で発生するデータ処理が転送速度に追い付かず、帯域を十分に活用できない場合がある。
これに対しRED-ONIONは、ネットワークやサーバ内のデータ処理を専用エンジンで一括制御し、複数の処理を並列に実行することで、拠点間のディスク間データ転送を大幅に高速化させている。これまでの国内外で実施してきた検証結果から、100Gbps級の専用ネットワーク上で1 TBの研究データを約90秒で転送することが可能となる見込みとなっている。
3者は今年10月から、同基盤の試験運用を開始する。さらに、他部局や研究機関への拡張を見据え、機微データを安全かつ自由自在に移送・利活用できる研究基盤の実現を目指している。
なお、本格稼働時期、対象となるデータ種別、接続先となる計算機資源および運用範囲については、試験運用の結果を踏まえて順次確定していく。これにより、研究スピードの向上、研究システムの運用負荷軽減、研究資源の有効活用を図ると共に、AI for Science時代に求められる新たな研究データ基盤モデルの確立を推進していく。
また、今回の取り組みで得られた知見を活用し、生命科学分野をはじめとする機微データを扱う様々な研究領域への展開も視野に入れ、日本の研究力強化とAI for Scienceの推進に貢献していく。
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