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ピロリ除菌に第3のPPI‐医薬品第二部会が了承

2006年10月23日 (月)

 薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が19日に開かれた。ヘリコバクター・ピロリの3剤併用除菌療法で、3番目のプロトンポンプ阻害剤としてラベプラゾールを用いる療法や、インフルエンザウイルス治療薬「リレンザ」への予防の効能追加など、2成分1療法を審議、いずれも承認して差し支えないと結論した。薬事分科会に報告する。

 ヘリコバクター・ピロリに対する3剤併用除菌療法に用いるプロトンポンプ阻害剤としては、これまでオメプラゾール、ランソプラゾールが認められていたが、今回新たにラベプラゾールが加わる。組み合わせの対象となる抗菌薬は従来と同様、アモキシシリンとクラリスロマイシン。

 併用療法が認められた薬剤は、[1]ラベプラゾールナトリウム=パリエット錠10mg(エーザイが製造)[2]アモキシシリン=パセトシンカプセル、同細粒、同錠250(協和発酵が製造)、アモペニキシンカプセル250(ニプロファーマが輸入)、サワシリンカプセル、同細粒、同錠250(アステラス製薬が製造販売)[3]クラリスロマイシン=クラリス錠200(大正製薬が製造)、クラリシッド錠200mg(アボットジャパンが製造)――である。

 いずれも3剤併用による胃潰瘍、または十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ除菌の用法・用量等が追加された。併用療法の再審査期間は4年。

 フルダラ錠10mg(日本シエーリングが輸入)は、有効成分がリン酸フルダラビン。既に同一成分として、B細胞性慢性リンパ性白血病に対する注射剤が承認されている。今回は新たに経口剤とし、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫を効能・効果とする新投与経路・新効能医薬品として開発された。再審査期間は6年で、原体・製剤とも劇薬に指定される予定。

 対象疾患の患者数は少ないが、希少疾病医薬品の企業申請はなかった。国内で60症例程度の試験で申請されたもの。既承認の注射剤で副作用発現等の状況が把握されていることや、経口剤のため注射剤よりも作用が緩和等の理由から、承認に当たっての条件は付されなかった。

 A型・B型インフルエンザ治療薬として既に承認されている吸入剤のリレンザ(グラクソ・スミスクラインが製造販売、有効成分はザナミビル水和物)には、新たに予防の効能・効果が追加される。再審査期間は4年。

 リン酸オセルタミビル、塩酸アマンタジンにも予防投与が承認されていることから、抗インフルエンザウイルス薬3剤全てで、予防投与が可能となる。ただし予防投与に当たっては、対象は原則としてインフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族・共同生活者で、[1]高齢者(65歳以上)[2]慢性呼吸器疾患または慢性心疾患患者[3]代謝性疾患患者(糖尿病等)[4]腎機能障害患者――の条件がつけられる見込み。

保存前の白血球除去製剤を承認

 また部会では、日本赤十字社が保存前に、白血球除去フィルターにより白血球の低減化を図る措置を導入したことに伴い、関連する人赤血球濃厚液、人全血液、洗浄人赤血球浮遊液、解凍人赤血球濃厚液、新鮮凍結人血漿の各輸血用製剤について、製造販売承認することを報告し、了承された。

 さらに、バイオテロ対策として、天然痘ワクチンである乾燥細胞培養痘そうワクチンの国家備蓄に対応し、有効期限を3年から4年に延長する生物学的製剤基準の各条改正も審議され、了承された。



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