都道府県薬剤師会が認定した基準薬局は、全国の保険薬局の約3割に当たる1万6086軒であることが明らかになった。前回調査(2007年10月)に比べ認定率は約5ポイント減少、実数で約2000軒減となった。日本薬剤師会が22日、今年6月現在の「都道府県薬剤師会認定基準薬局制度の進捗状況」としてまとめたもの。
日薬では90年から「都道府県薬剤師会認定基準薬局」制度を実施、07年4月から実施要綱を全面改正し、施行に移した。ただ、新認定基準に則った薬局の認定は、各都道府県薬剤師会が実施している同制度の更新時期に合わせて段階的に行うこととなっていた。
その移行時期に行った前回調査では、対象となる保険薬局数が5万0844軒、各県薬の認定数が1万8107軒で、認定率35・6%であった。
今回の集計では、対象となった保険薬局5万2358軒中、認定薬局は1万6086軒で認定率30・7%となり、前回調査より実数で約2000軒、認定率は約5ポイント低下した。
新たな基準薬局の内容は、法令で定める項目は、当然遵守すべきものとして基準から削除、[1]保険調剤[2]薬局の体制整備[3]一般用医薬品の供給――など大きく6領域に分け、総数30項目に整理されている。この中で、いくつかの“努力義務規定”が“義務規定”に格上げされたのが特徴で、「毒物劇物一般販売業の登録を受けている」「麻薬小売業者の免許を取得している」などが代表的な事例ととなっている。
このうち毒劇物の一般販売業の登録は、調剤専門の薬局が増加していることから、実際の取り扱いがない事例が多く、各県薬によっては実態が伴わない場合には登録されないケースも見られる。また、麻薬小売業の免許取得は、それほど大きく伸びていない現状もあり、対象薬局数の増加に比べ、基準薬局の認定数、認定率については逆に前回を下回る状況に陥ったものと推測される。
また、都道府県別で認定率は大きく異なり、最も高い山口県の68・8%に対し、宮城県では1・9%と一桁、かつ2%にも満たず、基準薬局への取り組みには地域による温度差が見られる。
このほか、認定率が高いのは、愛知県の64・0%、群馬県63・6%、佐賀県61・4%と続く。一方、認定率が低いのは山形県5・2%、千葉県9・7%が一桁台となっている。