文部科学省は、2008年度「大学等における産学連携等の実施状況」を公表した。08年度に国内の大学、高等専門学校、共同利用機関が産学連携で行った共同研究、受託研究数は、ともに過去最高で、国立大学等における研究分野では、ライフサイエンスが多かった。
調査は、短期大学を含む全国の国公私立大学、高等専門学校、大学共同利用機関を対象に、▽共同研究▽受託研究▽知的財産の管理▽治験等の実績--などの状況を把握し、産学官連携施策の検討や立案に反映することを目的に、文科省が83年から実施している。
それによると、共同研究は前年度から1427件増えて1万7638件、研究費が約37億円増えて約438億円となった。共同研究相手は民間企業が最も多く、1万4974件と全体の85%を占め、次いで公益法人等が1800件だった。
分野別にみると、国立大学等ではライフサイエンスが3844件(構成比26・9%)、ナノテクノロジー・材料が2367件(16・5%)、情報通信が1269件(8・9%)、環境が1196件(8・4%)で、ライフサイエンスとナノテクノロジー・材料の2分野は、04年度から増加を続けている。
一方、受託研究は676件増えて1万9201件、研究費の受入額が約93億円増えて約1700億円となった。分野別では、ライフサイエンスが4136件(構成比38・7%)、ナノテクノロジー・材料が1273件(11・9%)、環境が1122件(10・5%)、情報通信が793件(7・4%)だった。
治験の実施件数は8万3463件で、前年より1万4576件減少した。しかし、収入額は約26億円増えて、166億円だった。