エーザイと米ファイザーは、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」の戦略的提携契約を、一部変更することで包括的に合意した。ファイザーの米ワイス買収に伴い、両社の提携契約に関する法的解釈をめぐって論争が続いてきたが、米国・欧州主要国ではアリセプトの共同販促を継続。日本では2012年12月で共同販促契約を解消し、13年からエーザイが単独販売を行うことになった。
両社は1994年10月、エーザイが販売していたアリセプトに関して、米国、日本、英国、ドイツ、フランス、スペインで、共同販促を行う戦略的提携契約を締結した。ただ、09年1月のファイザーによるワイス買収を受け、エーザイはアリセプトに関する戦略的提携契約を解消する権利があると主張。契約内容の法的解釈をめぐる相違を解決するため、両社で話し合いが進められてきた。
その結果、米国と欧州主要国ではアリセプトの共同販促を継続し、日本では12年12月で共同販促を終了することで合意した。これを受け、エーザイは13年からアリセプトの国内販売を単独で開始する。
また、今回の包括的合意により、新たにエーザイはファイザーが国内承認申請中の神経障害性疼痛治療剤「プレガバリン」(欧米販売名リリカ)について、日本での共同販促契約を締結した。プレガバリンの国内上市後に本格的な共同販促を開始する。
今回の合意により、エーザイは「10年度以降の業績にプラス影響が期待できる」としている。