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【メディパルHD/三菱商事】中国の医薬品卸流通に参入‐最大卸の国薬HDと提携

2009年10月16日 (金)

 日本最大の卸企業メディパルホールディングスは、業務提携している三菱商事と共に、中国最大の医薬品卸である国薬控股股{イ+分}有限公司(国薬ホールディングス)と包括提携の覚書を締結した。提携事業の第1弾として、メディパルHDと三菱商事が、国薬HDと北京暢新易達投資顧問有限公司(暢新易達)が保有する国薬控股北京華鴻有限公司(北京華鴻)の持ち分の一部をそれぞれが取得すると共に、北京華鴻が行う株主割当増資を引き受け、中国国内における医薬品流通分野での合弁事業を開始することにした。2005年9月から三菱商事と業務提携して中国市場への進出を探っていたメディパルHDが、中国最大の医薬品卸と提携して本格的に中国での事業を展開していくことになる。まずは、病院関連と医薬品流通のノウハウを提供して、北京市場でのシェア拡大を狙う。

 今回締結した包括提携の検討テーマは、[1]医薬品卸売事業の複数エリアでの業務協力[2]医薬品・医薬品原料/医療機器・医療材料の中国国内輸入および販売拡大[3]病院向け物品の購買・配送・管理の一元化業務の共同展開[4]病院内薬局管理事業の展開[5]薬局チェーン事業の展開‐‐の5項目で、今後、各テーマの具体的推進については、三者によるプロジェクトチームを設けて検討していく予定だ。

 急成長を続ける中国医薬品市場では、多くの医薬品卸が存在しており、経営効率の向上、流通機能の整備、顧客支援サービス等のサービスの質的向上などが求められている。提携した国薬HDは、有力国営企業を管理する「国有資産監督管理委員会」の傘下にある中国医薬集団総公司の中核子会社。中国最大の医薬品卸で、唯一の全国的販売ネットワークも持っている。

 提携による初事業として、国薬HDの子会社である北京華鴻に資本参加し、医薬品流通分野で具体的な合弁事業を開始する。メディパルHDと三菱商事から社員を派遣し、三菱商事が日本で展開している病院経営支援・病院内業務アウトソーシング事業のノウハウ、メディパルHDの医薬品流通ノウハウ等を提供することで、競合他社との明確な差別化を図り、医薬品の最大消費地である北京市場で、シェア拡大を目指すことにしている。

 当面は、北京だけを営業エリアとするが、状況を判断して販売エリアの拡大も検討する。また、今回の出資によって関係が強化される国薬HDの中国全土での販売チャネルと、三菱商事の国際ネットワーク、メディパルHDの日系医薬品・医療器材メーカーとの関係を生かして、中国における取引拡大を目指していく考えだ。

 北京華鴻は有限会社で、国薬HDが持分60%、暢新易達が40%を保有している。今回の合弁事業を始めるに当たって、三菱商事が25%、メディパルHDが14%を取得する。

 国薬HD(上海市)は、2003年に設立され、病院と薬局向けの医薬品卸、物流、薬局チェーン事業を展開している。従業員数は1万1123人で、08年度(1~12月期)売上高は約5725億円(1人民元=15円換算)、純利益は122億円。取引先はおよそ、病院4200軒、薬局5800軒、医薬商業企業3000社、その他医療機構3600社となっている。

 1998年設立の北京華鴻(北京市)は、従業員数120人、売上高158億円、純利益4億円。



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