慢性骨髄性白血病(CML)治療薬「スプリセル」(一般名ダサチニブ)の国際共同第III相試験「DASISION試験」の結果、主要評価項目に設定した12カ月以内の確定的な細胞遺伝学的完全寛解を達成したことが、第46回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表された。この結果を受け、「スプリセル」の販売提携をしている米ブリストル・マイヤーズ・スクイブと大塚製薬は、年内にも慢性期CML患者の第一選択薬として、世界で申請を行う予定。
DASISION試験は、CML患者519人を対象に、ダサチニブ100mg1日1回投与群とイマチニブ400mg1日1回投与群を比較した、非盲検ランダム化国際共同第III相試験。慢性期CML患者の第一選択薬としてのダサチニブの有効性、安全性が検討された。その結果、12カ月以内の確定的な細胞遺伝学的完全寛解を達成したCML患者の割合は、イマチニブ群の66%に対し、ダサチニブ群は77%と、主要評価項目を達成したことが明らかになった。
また、1年以内に細胞遺伝学的完全寛解を達成したCML患者の割合は、イマチニブ群72%、ダサチニブ群83%との結果だった。さらに、細胞遺伝学的完全寛解に到達するまでの期間も、イマチニブ群に比べてダサチニブ群で短いことが判明。ダサチニブ群のうち、54%が3カ月以内に細胞遺伝学的完全寛解を達成した。分子遺伝学的寛解を達成したCML患者も、ダサチニブ群はイマチニブ群の2倍に達した。
一方、有害事象の発現率、投与中止率に関しては、ダサチニブ投与群とイマチニブ投与群は同等だった。