
ストレンガー社長
アレクシオンファーマのヘルマン・ストレンガー社長は22日、都内で記者会見し、14日付で発売した希少疾患の発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬「ソリリス」(一般名:エクリズマブ)について、「半年前から顧客担当者のメディカル・カスタマー・ケア(MCC)が、医師に対してPNHの啓発活動を行ってきており、発売直後は勢いよく立ち上がっていくのではないか」と述べ、発売初年度の患者数を100人と見通した。今後、PNHの治療と診断を行う治療基幹病院(センター・オブ・エクセレンス)約80施設を確立し、発売10年後のピーク時には440人、売上高197億円の達成を見込んでいる。
ソリリスは、血管内溶血を引き起こすC5補体蛋白に対するヒト化モノクローナル抗体で、今年4月に承認を取得し、今月から発売を開始した。既に顧客担当のMCC18人が、血液内科医をターゲットにPNHの啓発やソリリスの情報提供活動を行っている。
ストレンガー氏は、MCCによる医師への啓発活動を進め、「発売2~3年後から、徐々に投与患者数が増えるようにしていきたい」との意欲を語った。
今後、PNH患者の掘り起こしに向け、MCCによる情報提供活動を進めると同時に、PNHの診断に高い専門性を持つ治療基幹病院の確立に注力する。臨床試験でソリリスの処方を経験した医師で構成する「ジャパンアドバイザリーボード」(JAB)13人を起点に、治療基幹病院を約80施設までに拡大し、地域医療施設250施設をカバーする戦略だ。
地域医療施設から治療基幹病院への患者紹介ネットワークを構築することで、PNH患者の掘り起こしに取り組み、発売10年後のピーク時の治療対象として440人、売上高197億円を見込んでいる。