◆米航空宇宙局(NASA)などの研究グループが、カリフォルニア州のモノ湖で発見した細菌が話題を呼んでいる。生命に必須な元素の一つであるリンがない環境でも、人間にとって有毒なヒ素を食べて生きる細菌だったからだ
◆地球の生命の基本となるDNAは、リン酸を必ず含み、これを持たない生物は存在しないと考えられている。しかし研究グループでは、この細菌を培養するに当たり、リンに代わりヒ素を与えた。その結果、DNAのリン酸がヒ素に置き換わり増殖したことを確認。今までの生物学の常識を覆す成果を得た
◆モノ湖周辺は、隕石の落下でできたクレーターが多くあるといわれているが、この細菌が地球外からきたものと見る専門家はまだいないらしい。また、DNAのリン酸がヒ素に置き換わることへも疑問を投げかける専門家もいるようだ
◆しかし、高濃度のヒ素環境下で生きる細菌は確かにいたわけだ。完全乾燥させると仮死状態になり、水分を戻すと生き返る虫のことを聞いたような記憶もある。地球には、まだまだ知られていない生物はいるだろう。こうした新たな発見が、生命の神秘を解き明かしていく。
ヒ素を食べて生きる細菌
2010年12月06日 (月)
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