行政刷新会議が厚生労働省へ、過去の事業仕分けの反映が不十分な事項の再検討を指示したことを受け、社会保障審議会医療保険部会は、一般用と類似する医療用医薬品の取り扱いについて議論し、現行通り保険給付の対象とすることが適当との認識を、改めて確認した。
安部好弘委員(日本薬剤師会常務理事)は、医療用100mg錠が先発品6円、後発品5円と安価で、一般用も承認されているイブプロフェンを例に挙げ、「これが保険外になれば、安い医療用が使えなくなり、薬価が高い他の成分で治療しなければならない」と指摘。財政改善を目的とした対応が、結果的に財政悪化の要因になる可能性があると分析した。そして「有効な成分が使われなくなると、非常に問題がある」とも強調した。
また、高原晶委員(諫早医師会会長)は安部氏の意見に賛同した上で、薬剤費抑制のためには、後発品の使用促進より、高価な医薬品の薬価引き下げが効果的だと主張した。