厚生労働省は4日、小児用肺炎球菌ワクチンとインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンを同時接種した子どもの死亡例が、2日から相次いで報告されたことを受け、2種類のワクチン接種を一時的に見合わせることを決め、全国の自治体や医療機関などに連絡した。
見合わせの対象となったのは、ファイザーの小児用肺炎球菌ワクチン「プレベナー水性懸濁皮下注」、第一三共のHibワクチン「アクトヒブ」で、これらのワクチンを接種した乳幼児が、接種翌日から3日後に死亡する事例が4件起きたという。
死亡したのは、▽兵庫県宝塚市の2歳の男児▽兵庫県西宮市の1歳の女児▽川崎市の6カ月未満の女児▽京都市の6カ月以上1歳未満の女児――の4人。このうち、3人がDPT(ジフテリア、破傷風、百日ぜきの三種混合)を接種していたほか、少なくとも2人に心室中隔欠損症や慢性肺疾患、右胸心単心室肺動脈閉鎖などの基礎疾患があった。
報告医による評価では、ワクチン接種と死亡の因果関係について、いずれも「評価できない」「不明」とされた。しかし、同省は因果関係がはっきりするまで当面、接種を見合わせる必要があると判断。8日に、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会および子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会を開き、2種類のワクチン接種と死亡との因果関係について検証する。
同省が2月28日に開いた、「インフルエンザワクチンおよび子宮頸がんワクチン等の安全性に関する専門家委員会」では、1月末までに接種したワクチンの副反応が対象だったため、「安全性に重大な懸念は認められない」と評価していた。